こんにちは、絵師の徳田智子です。絵の道に入ってはや半世紀。
日本人絵師として日本の文化について広く世界に発信していきたいと思い、伝統的な美術品でもある「掛け軸」についてお伝えします。本日は、床の間にタペストリー?!っというお話です。
ペルーで買い求めたタペストリーです。インカの宇宙観において、コンドルは「天上界(太陽の神)」を象徴する聖なる存在でした。床の間は本来、家の中でも特に神聖な場所とされ、邪気を払う役割があるので、この図柄はぴったりですね。

最近は、和室の床の間をモダンに模様替えしたいという方が増えています。
しかし、伝統的な床の間にタペストリーを飾ってもおかしくないか不安ですよね。
特に掛け軸の代わりとして飾る場合、適切なサイズを選ばないと空間が不格好になってしまいます。
この記事では、和室の床の間にぴったりなタペストリーのサイズ選びのコツや、おしゃれに見せる3つのポイントを徹底解説します。
この記事を読むことで、失敗しない寸法比率が分かり、あなたの和室を理想のモダン空間に生まれ変わらせることができます。
和室の床の間にタペストリーはあり?掛け軸との違いとメリット
- 伝統的な床の間にタペストリーを飾るメリット
- 従来の掛け軸とタペストリーの違いや扱いやすさ
- 現代の和室空間にモダンなタペストリーが馴染む理由
伝統的な和室の床の間といえば掛け軸ですが、最近ではタペストリーを飾るスタイルが人気を集めています。
和の空間に現代的なファブリックを合わせることで、洗練された和モダンなインテリアを実現できます。
「自在」と「タペストリー壁掛け棒」を使用してタペストリーの位置を調整しています

伝統的な掛け軸にはないタペストリーならではの魅力
掛け軸は格式高い美しさがある一方、保管やお手入れに細心の注意が必要です。
一方でタペストリーは、布製で扱いやすく、日常のインテリアとしてカジュアルに楽しめるのが大きな魅力です。
また、洋風のデザインや北欧風の柄など、選択肢が非常に幅広い点も特徴です。
季節や気分に合わせて、気軽に壁面のアートを掛け替えられる手軽さがあります。
タペストリーの展示には、壁掛け棒が便利です。タペストリーのサイズに合わせて選べます。
モダンな和室空間を演出できる理由
現代の住宅に多い「リビングに隣接した和室」や「畳コーナー」には、従来の掛け軸が少し重く感じられることもあります。
タペストリーであれば、洋室のインテリアとも自然に調和し、空間を明るく見せることができます。

実は、アジアの少数民族のタペストリーで縦長のものを現地で購入した時、「あっ、これ、我が家の床の間にピッタリだなあ」って直感しました。
帰国後、床の間に合わせてみると、何とサイズも雰囲気もぴったり!それからです。「床の間にタペストリーもありだなあ」って思い飾るようになりました。
伝統を重んじつつも、自分らしいライフスタイルに合わせたお洒落な和室を作りたい方に最適です。
床の間という特別な空間だからこそ、現代的なアートが綺麗に映えるのです。

- タペストリーは布製で扱いやすく、季節ごとの掛け替えも非常に手軽
- 洋室と隣接する現代の和室や畳コーナーを、明るくモダンに演出できる
- アジアの民族布など、縦長のデザインなら床の間にも直感的にマッチする
【コツ1】床の間に合うタペストリーの最適なサイズ選び
- 半間や一間など、床の間の基本サイズとタペストリーの美しい比率
- 大きすぎ・小さすぎによる失敗を防ぐための具体的な計測基準
- 横幅だけでなく「縦の長さ」のバランスを意識する重要性
床の間にタペストリーを飾る際、最も重要と言っても過言ではないのが「サイズ選び」です。
どれだけデザインが良くても、床の間の広さに対してサイズが合っていないと、窮屈に見えたり貧相に見えたりしてしまいます。
床の間の基本サイズとタペストリーの寸法比率
一般的な床の間のサイズは、半間(横幅約90cm)や一間(横幅約180cm)という規格が多くなっています。
ここに飾るタペストリーの横幅は、床の間の横幅の「3分の1から2分の1程度」に収めると、左右に美しい余白が生まれます。
また、長さ(縦のサイズ)に関しては、床の間の高さの「半分から3分の2程度」を目安にすると良いでしょう。
天井や床に引きずることなく、掛け軸のような美しい佇まいを再現することができます。
一間の床の間だと理想サイズはこうなります

失敗談から学ぶ!タペストリーのサイズ「大きすぎ・小さすぎ」を回避する基準
サイズ選びでよくある失敗が、ネット通販でデザインだけを見て購入し、実際に掛けたら小さすぎたというケースです。一間の床の間には、小さすぎます。
空間に対して小さすぎるタペストリーは、床の間の存在感に負けてしまい、寂しい印象を与えてしまいます。

逆に大きすぎると、床の間の壁一面を塞いでしまい、圧迫感が出て和室の開放感が損なわれます。
一間の床の間ですが、これだけサイズが大きいと威圧感が出てしまします。

購入前に必ず、メジャーを使って床の間の正確な寸法を計測し、仕上がりの有効範囲をシミュレーションしてください。

我が家の床の間は、半間サイズよりやや小さめ。掛け軸も標準サイズだと余白の美(左右に15cm以上空間をとる)が保てません。タペストリーの場合も幅広のものはNGです。横幅も少々オーバーサイズ!縦の長さは、長すぎてバランスが悪い!床の間の高さをしっかり把握して、タペストリーのサイズも美しく収まるようにしましょう。結局、幅も少し詰めて、長さを短く作り直し、そして飾りました。
- 横幅は床の間の3分の1〜2分の1、長さは高さの半分〜3分の2が黄金比率
- 幅広すぎるものは空間を圧迫し、小さすぎるものは寂しい印象になる
- 「横幅」だけでなく「縦の長さ」もメジャーでしっかり計測してシミュレーションする
【コツ2】床の間に合うモダンなタペストリーの選び方【素材と柄】
- 和室の畳や壁に自然に馴染む天然素材(麻・綿など)の魅力
- アースカラーや落ち着いたトーンを使ったデザイン選びのコツ
- 季節や年中行事、さらにT.P.O.に応じた掛け替えの工夫
和室の床の間に合わせるタペストリーは、サイズだけでなく「素材」と「デザイン」の組み合わせも大切です。
洋風なアイテムでありながら、和の空間にそっと寄り添うものを選ぶのがポイントです。
和室に馴染む素材(麻・綿)とデザインのポイント
和室の壁や畳は天然素材でできているため、タペストリーもポリエステルなどの化学繊維より、麻や綿といった天然素材が馴染みます。
特に「手紡ぎ」や「手織り」の風合いがある麻布は、光を優しく通し、掛け軸のような高級感を演出してくれます。
デザインは、派手すぎる原色を避け、アースカラーや落ち着いたトーンのものを選ぶと失敗しません。
北欧風の幾何学模様であっても、色味が落ち着いていれば和室に驚くほどマッチします。
落ち着いたカラートーンでサイズも変更しこちらの床の間にぴったりのタペストリーをチョイス!

季節感を取り入れて床の間をおしゃれに彩る工夫
日本の床の間は、古来より「四季の移ろい」を表現する場所として使われてきました。
タペストリーを選ぶ際も、春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色といった季節を意識した柄を選ぶのがおすすめです。

季節ごとにタペストリーを掛け替えることで、家の中に心地よい変化が生まれます。
お正月や節句などの年中行事に合わせたデザインを用意しておくのも、暮らしを豊かにする素敵な工夫です。

タペストリーの素材も「ウール、麻、綿、シルク、化繊」と様々です。
私は、しっかりした「綿」の素材がお気に入りですが、冬には暖かそうな「ウール」素材を選んだり、夏には涼しそうな「麻」の素材を選ぶといいですね。

きちんとした集まりには、シルク素材の光沢のある高級感のあるタペストリーをかけたりします。タペストリーを選ぶ時も、掛け軸と同じようにT.P.O.を考えて選ぶといいですね。

床の間を間接照明で照らす
床の間を間接照明で照らす
床の間は奥まっていて暗くなりがちなので、下から暖色系のLEDで照らすと、麻布の織り目に陰影が出て掛け軸のような上質な雰囲気になります。

- 和室の壁・畳と調和する「麻」や「綿」などの天然素材を選ぶのが基本
- 派手な原色を避け、アースカラーなど落ち着いたトーンのデザインが馴染む
- 掛け軸と同じように、季節の移ろいや集まりのT.P.O.を意識して素材や柄を使い分ける
- 床の間を下から暖色系のLEDライトで照らすと上品な雰囲気になる
【実例】床の間の掛け軸をタペストリーに模様替えしたサイズと柄
- 半間の床の間に「幅45cm×長さ120cm」を設置した具体的なサイズ感
- 既存の掛け軸用フック(折れ釘・無双釘)を活用して壁を傷つけない工夫
- タペストリーに変えたことで起きた和室のモダンな変化と周囲の反応
ここでは、実際に従来の掛け軸からタペストリーへと模様替えを行った具体的な実例をご紹介します。
リアルな体験談をもとに、設置の工夫や変化を参考にしてみてください。
実際に選んだサイズと設置時の注意点
我が家の床の間は一般的な半間(幅約90cm)よりやや狭めです。
そこに、幅約45cm、長さ約120cmの麻製のタペストリーを合わせることにしました。
夏向きの麻素材での実例

設置する際の注意点として、床の間の壁を傷つけないように工夫する必要があります。
もともとある掛け軸用の「折れ釘(無双釘)」を利用するか、壁に跡が残りにくいピンを活用して、綺麗に中央に配置するのがコツです。
詳しくはこちらの記事も参考にしてください。

元々、床の間に設置されていた「折れ釘(無双釘)」です。これを使います。
賃貸の時などはこちらの金具を使うといいですね。
- Jフック (福井金属工芸):掛け軸などの額縁・絵画用として定番のアイテムです。細いピンながら耐荷重が高く、賃貸物件でも安心です。
- 壁美人:ホッチキスで金具を固定するタイプで、引き抜いた後の穴がほとんど目立ちません。
掛け軸からタペストリーに変えて感じたメリット・デメリット
タペストリーに変えて一番良かったのは、和室が圧倒的に「今っぽくお洒落」になったことです。
来客からも「センスが良いね」と褒められることが増え、部屋全体の風通しが良くなったように感じます。
初めてタペストリーを床の間に掛けた時は、いままで床の間に掛けていた掛け軸の「折れ釘(無双釘)」をそのまま使用したかったので、タペストリーも掛け軸と同じスタイルになるように、端を筒状に縫い、紐を通しました。そうすることで矢筈も使用でき安心して掛けられるようになりました。

また、デメリットとしては、掛け軸に比べると上下の「おもり(風鎮など)」がないため、風で少し揺れやすい点が挙げられます。
これも、タペストリーのもう一方の端を縫い、100均などで販売されている「突っ張り棒(伸縮タイプ)」を入れて軸棒のように作り込みました。そこに風鎮をセット!まるで掛け軸のようになりました!

軸棒・風鎮・突っ張り棒はすべて100均で揃うので、費用をかけずに掛け軸風に仕上げられます!
耐荷重も気になりましたのでかける前にタペストリーの重量も計測。
やってきた友からは「なにこれ?!すごいね!面白い!」っと絶賛の嵐でした。

- 半間の床の間(幅90cm)には「幅45cm×長さ120cm」がベストバランス
- 既存の折れ釘(無双釘)に吊るせるよう紐を工夫すれば、矢筈(やはず)も使えて安心
- 重量を事前に計測して安全面を考慮すれば、来客からも絶賛されるお洒落空間に
床の間のタペストリーに関するよくある質問(Q&A)
- Q:賃貸の和室でも床の間にタペストリーを飾ることはできますか?
- A: はい、可能です。賃貸の場合は壁に大きな穴を開けられないため、穴が目立たない極細の画鋲フックや、突っ張り棒を床の間の天井付近に渡して吊るす方法がおすすめです。
- Q:タペストリーがシワになってしまった場合の伸ばし方は?
- A: 麻や綿のタペストリーは、裏面からあて布をして低温〜中温でアイロンをかけると綺麗にシワが伸びます。スチームアイロンを使用する場合は、水分で色落ちしないか端の方で試してから行ってください。
- Q:洋風のタペストリーを和室に飾るのはおかしいですか?
- A: 全くおかしくありません。モノトーンの幾何学柄や抽象画、北欧デザインなどは「和モダン」として非常に相性が良いです。ただし、色味が派手すぎるものは浮いてしまうことがあるので、落ち着いたトーンを選ぶのが馴染ませる秘訣です。
- Q:古民家の格式ばった床の間にタペストリーを掛けるのはおかしいですか?
- A: 本来の伝統的な格式を重んじる席(お茶会や法要など)では推奨されませんが、日常の普段使いやインテリアとして楽しむ分には全く問題ありません。その際は、シルク(絹)素材など光沢や高級感のある生地のタペストリーを選ぶと、古民家の重厚な雰囲気とも自然に調和します。
- Q:タペストリーで季節感を出すのが難しい場合、他の小物でカバーできますか?
- A: はい、十分にカバーできます。タペストリー自体の柄を通年使えるシンプルなもの(無地や落ち着いた幾何学柄など)にしておき、床の間に飾る生け花(一輪挿し)や置物、香炉などで季節に合わせた変化を持たせることで、床の間らしい四季の移ろいを美しく表現できます。

色々な金具についてはこちらの記事も参考に⬇️
まとめ:最適なタペストリーのサイズと柄を選んで和室の床の間をモダンに彩ろう
和室の床の間に飾るタペストリーは、伝統と現代のデザインを融合させる素晴らしいインテリアアイテムです。
失敗しないための最大のポイントは、床の間の規格に合わせた「最適なサイズ(幅・長さ)」を事前にしっかり計測して選ぶことです。
麻や綿などの天然素材を選び、空間の3分の1〜2分の1程度の横幅を意識すれば、誰でも簡単におしゃれな和モダン空間を作ることができます。
ぜひお気に入りの一枚を見つけて、季節感あふれる素敵な和室ライフを楽しんでみてください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。感謝です。
本格的な掛け軸の選び方も紹介していますので気になる方はお読みください。












