水彩画×色鉛筆は初心者向き!失敗しない始め方と塗り方のコツを解説

こんにちは、絵師の徳田智子です。
絵の道に入って早半世紀、水彩画の楽しさをお伝えして30年になります。

「水彩画に挑戦したいけれど、絵の具やパレットをそろえるのはハードルが高い」と感じていませんか。

そんな方にこそ試してほしいのが、色鉛筆で描いたあとに水でにじませる「水彩色鉛筆」です。

この記事では、水彩画を色鉛筆で始めたい初心者の方に向けて、道具選びから基本の5つの描き方、よくある失敗の直し方までをまとめました。

読み終える頃には、買うべき道具が決まり、今日から1枚目を描き始められます。

水彩画と色鉛筆の相性が初心者にぴったりな理由

この章では、水彩色鉛筆が普通の色鉛筆とどう違うのかを整理します。

そのうえで、水彩絵の具と比べて初心者が失敗しにくい理由を3つに絞ってお伝えします。

水彩色鉛筆とは?普通の色鉛筆との違い

水彩色鉛筆とは、芯が水に溶ける性質を持った色鉛筆のことです。

乾いたまま描けば色鉛筆として、水を含ませた筆でなぞれば水彩絵の具のような柔らかい表現になります。

一方、一般的な(油性)色鉛筆は芯にロウや油分が含まれているため、水をはじいてしまいます。
つまり、水彩画の雰囲気を出したいなら、油性ではなく「水彩色鉛筆」と表示された商品を選ぶ必要があります。

目印は、「水と筆」か、日本語で「水彩色鉛筆」の表示。英語なら”Watercolor”

水彩色鉛筆が水彩絵の具より手軽に始められる3つの理由

水彩絵の具に比べて、水彩色鉛筆が初心者向きといえる理由は次の3つです。

1つ目は、色鉛筆の感覚で下描きから着色まで進められることです。

2つ目は、パレットで色を作る必要がなく、絵の具の水加減に悩まなくて済むことです。

3つ目は、道具が少なく、片付けも筆を洗うだけで済むことです。
細かい線が描けるので、絵の具では難しい繊細なモチーフにも向いています。

カヌレを描いて比較実験

長い間、使ったことがなかったのですが、きっかけは、先日ダイソーで「水彩色鉛筆」を見かけて、「ええっ?!」ってなりまして。ステッドラー (STAEDTLER)の色鉛筆は、憧れでしたが、いかんせん価格が…。ダイソーの「水彩色鉛筆」は、110円だったので、早速購入して試してみました。

ダイソーで購入。12色セット。使い心地まずまずです。

水彩色鉛筆、初心者が最初にそろえたい道具リスト

この章では、買い物で迷わないように「最初の1回で必要なもの」と「慣れてから足せばよいもの」を分けて紹介します。

最初にそろえるのは、次の4点です。

水彩色鉛筆で描く時に、最低限必要な道具

  • 水彩色鉛筆(12〜24色程度)【後の章で詳しく説明します】
  • 水彩筆(丸筆の中サイズ1本)6号〜10号
  • 水彩紙(ハガキサイズ)またはスケッチブック(水彩対応のもの)
  • 筆洗いとして使う水入れ(空き容器でも可)

水彩筆(丸筆)

筆は、穂先がまとまる丸筆を1本選んでください。細い線から広い面まで1本でこなせるので、最初の1本として使いやすいからです。

写真は、「ターレンス・ヴァンゴッホシリーズ」から10号の丸筆。赤と白のツートンの持ち手がおしゃれ!

水筆ペン

水彩筆の代わりに、水を筆先に含ませられる「水筆ペン」を使う方法もあります。
水筆ペンは軸に水を入れられるため、外出先でのスケッチにも便利です。

写真は「呉竹・水筆ペン(中)」です。

水彩紙

紙は、普通のコピー用紙やノートだと水に弱く、波打ちやすくなります。
水彩画用紙、または水彩対応と書かれたスケッチブックを選ぶと、失敗がぐっと減ります。

水彩紙は、300g/㎡以上の厚口のものを選びましょう。

水彩紙についてはこちらの記事も☝️

水彩画初心者におすすめの紙(水彩紙)3選!仕上がりはこれで決まる

水彩画にも使えて、描画後にお友達にプレゼントしたりもできますので、ハガキサイズの水彩紙はおすすめです。

ヴィフアール 水彩紙 中目、細目ともに、水彩色鉛筆でも描きやすいです。マルマンの画用紙も水彩・色鉛筆ともに対応しています。超厚口なら、たっぷり水分を含ませてよれたりしても、乾燥後に分厚い本など重しを置いて一晩置けば、真っ直ぐになります。

水彩色鉛筆で描く時に、あると仕上がりが変わる追加アイテム

慣れてきたら、次のアイテムを追加すると表現の幅が広がります。

  • 鉛筆削り(芯を粉にして使う技法で必要)
  • キッチンペーパーやティッシュ(筆の水分調整用)
  • マスキングテープ(紙の端を固定して波打ちを防ぐ)
  • 練り消しゴム(色を軽く持ち上げたいとき)

特にマスキングテープは、紙のふちを台紙に貼るだけで、水を使ったあとの紙の波打ちを軽減できます。
低コストで効果が大きいので、早めに用意しておくと安心です。

画板に水彩紙をマスキングテープで固定

失敗しない水彩色鉛筆の選び方

この章では、店頭やネットで商品を選ぶときに見るべき4つの基準を解説します。

先に結論をお伝えすると、初心者は「やわらかめの芯・24色前後の色数・持ち運びやすいケース・製造メーカー」を基準にすると失敗しにくくなります。

結論として、最初から高価なセットを買う必要はありません。

筆者も購入した「100均の水彩色鉛筆」でも練習は十分にできます。けれども、「作品として残したい」とか、「プレゼントしたい!」とかお考えでしたら、少しクオリティの高い商品を選ばれるといいかもしれません。

芯の硬さで選ぶ

水彩画のような雰囲気を出したい初心者は、やわらかめを選ぶと良いです。理由は、水に溶けやすいほうが、筆でなぞるだけで色が広がり、仕上がりの変化を実感しやすいからです。

芯がやわらかいタイプは、水を含ませたときによく溶け、にじみやグラデーションが出しやすいのが特長です。

反対に芯が硬いタイプは、溶け方は控えめですが、細密な線や色鉛筆らしい描き込みに向いています。

通称「赤缶」:ファーバーカステルの上級モデルよりは少し硬めですが十分やわらかく、滑らかな描き心地と水馴染みの良さは抜群です。

ステッドラー「カラト アクェレル」の芯は中ぐらいの硬さです。

100均の芯は、割れやすいです。力を入れて描くと「ボキボキ」っという感じで折れてしまう色もあります。有名メーカーのものに比べると、芯が硬いように感じました。

色数で選ぶ

はじめて使うなら、24〜36色前後が使いやすい目安です。
12色だと混色の手間が増え、60色以上になると色選びで迷う時間が増えてしまいます。

ただし、風景など特定のジャンルだけを描くなら、12色でも十分に楽しめます。
予算と描きたいモチーフを考えて、あとから足せる単色売りがあるメーカーを選ぶのも方法です。

水彩色鉛筆は、水を含ませると色が少し濃く、鮮やかに見える傾向があります。購入前に試し塗りができる場合は、水を含ませた状態の色も確認してください。

ケースや携帯性で選ぶ

自宅で描くことが中心なら、色がひと目で見渡せる平缶タイプや木箱タイプが便利です。

筆者おすすめの平缶タイプ、12色でも24色でも、どのメーカーでも使いやすいです。

外で描く機会が多いなら、軽くて持ち運びやすい紙箱やコンパクトなケースを選びましょう。

サクラクレパスは「鉛筆削り・筆・小さいボトル」までついていて、野外でのスケッチのお供にはぴったりですね!

ケースは地味なポイントですが、出し入れが面倒だと使う頻度が下がってしまいます。
続けやすさに直結するので、ケース選びも軽視しないでください。

製造メーカーで選ぶ

どれを選ぶか迷う場合は、画材メーカーの定番シリーズから選ぶのが無難です。ステッドラー、ファーバーカステル、サクラクレパス、三菱鉛筆、トンボ鉛筆などは、水彩色鉛筆を継続的に販売している国内外の主要メーカーです。

定番商品は情報や作例が多く、わからないことがあってもネットで調べやすい利点があります。また、実店舗でも販売されているメーカーのものなら、実際にお店で試し描きができるかもしれません。お店の方に、直接質問できることもあるので、そういった点でもおすすめです。

次の章で筆者の試した感想を載せていますので参考になさってください。

初心者におすすめの水彩色鉛筆の例

この章では、筆者が実際に試し描きした感想をもとに、初心者が選びやすい代表的なシリーズを、芯の硬さと水馴染みの違いがわかるように紹介します。好みもあるので、店頭で試し描きできる場合は色見本も見て決めてください。

最初の1セットは、価格が手頃な24色前後を選ぶのがおすすめです。使い続けて「この色が足りない」と感じたら、単色で買い足したり、上位グレードのセットに買い替えたりすれば十分です。

メーカー名/比較項目芯の硬さ水への溶けやすさ付属品
ファーバーカステル
デューラー
とても柔らかいとても溶けやすい缶入り
ファーバーカステル
赤缶
柔らかい溶けやすい缶入り / 水彩筆
ステッドラー
カラト アクェレル
中ぐらい溶けやすい缶入り
三菱鉛筆硬め溶けやすい缶入り / 水彩筆
サクラクレパスやや硬め少し溶けにくいソフトケース / 鉛筆削り
ミニボトル / 水彩筆
トンボ鉛筆硬い少し溶けにくい紙ケース(サイドにゴムベルト)/ 水筆
ダイソー硬め / 割れやすい溶けやすい紙ケース

ステッドラー「カラト アクェレル」

欧州の画材メーカーが手がける定番の水彩色鉛筆シリーズ。筆者は子どもの頃から憧れていました。

写真は12色セット

ステッドラー「カラト アクェレル」は、芯の硬さが、中ぐらいで、鉛筆として描く時も、水彩として描く時も、水馴染みもとても良いのでおすすめです。(価格は、かなりするので12色セットから始めるのもいいかもしれません。)

ファーバーカステル

「アルブレヒト デューラー」のラインは、本格的な作品づくりにも使われる、ワンランク上のシリーズです。どのメーカーの水彩色鉛筆よりも芯は柔らかいです。

ファーバカステル・アルブレヒト デューラー(上級ライン)

価格の関係で3本の購入でしたが、「芯が柔らかく滑らかで、水馴染みも大変良く、使い心地が最高!」です。

通称「赤缶」:芯は(上級モデルよりは硬いですが)やわらかく、滑らかな描き心地と水馴染みの良さも抜群です。

ファーバーカステルの赤缶シリーズ。写真は24色セット、筆付きです。

付属の筆は4号サイズ。ちょっとボサボサです。日本のメーカーのようにキャップなどで保護されていません。

サクラクレパス

「水彩色鉛筆」の学校教材でも親しまれてきた、価格が手に取りやすいシリーズです。箱が筆箱になります。筆、鉛筆削り、ミニボトル付き。付属の筆に号数は記載されていませんが、おそらく8号サイズぐらいです。

外でスケッチしたい方や、まず気軽に始めたい方におすすめです。

12色セットには、「白色は無しで、黄色系が2色」も入っているので、風景画や静物画には嬉しい色揃えです。濃い紫でなく、薄い紫が入っているので花や野菜を描くのにも向いていますね。

芯はやや硬め。しっかりした描き心地です。水には少し溶けにくいです。

三菱鉛筆

「ユニ ウォーターカラー」国内メーカーで入手しやすいです。こちらは、缶入りタイプです。筆付きです。硬めの芯で「細かい線も描きたい方」におすすめです。

しっかり色鉛筆で描き込むことができるので、細密画のようにも仕上げられます。こちらの12色セットには「白」が入っています。付属の筆は、8号サイズです。たっぷり水を含むのでいらない水分を調整してから描くといいですね。

芯は硬めでしっかり描画できます。水馴染みはいいです。

トンボ鉛筆

「色辞典 水彩色鉛筆」:1988年から続く色鉛筆「色辞典」シリーズの水彩版です。色名にこだわった色数の多さが魅力。「色を楽しむ色鉛筆」として自然そのままの魅力を再現し、美しく個性的な色を揃えています。

収納の箱は、機能的でおしゃれです。サイドに綺麗なブルーのゴムがついていて、しっかり蓋ができるので、持ち運びの時などに中から鉛筆が出てきたりしません。また、付属の水筆は透明とホワイトのカラーリングで美しいです。

筆者は、12色セットで試しましたが、色の名称も、セットに選ばれた色も個性的です。白が入っていないことや、水筆がセットされているところなど個人的には気に入っています。

トンボ 色辞典・色見本:個性的な色が並びます。

芯はしっかりして硬いです。水馴染みは全体的に、他社に比べると良くないように思います。あくまでも個人的感想です。

水彩色鉛筆で水彩画風に仕上げる基本の描き方5ステップ

この章では、水彩色鉛筆の代表的な5つの塗り方を、初心者がつまずきやすいポイントとあわせて解説します。

最初は1つ目の方法だけで十分です。
慣れてきたら順番に試して、自分の好きな表現を見つけてください。

ステップ1:色鉛筆で描いてから水を含ませた筆でなぞる

最も基本的で、失敗しにくい方法です。
まず普通の色鉛筆と同じように、紙に色をのせます。

次に、水を含ませた筆で色の上をなぞると、線が溶けて水彩画のような柔らかい表情になります。
筆の水はよく絞ってから使い始めてください。

ガトープルポ(カフェモカといちごを描いてみました)

水が多すぎると、色が流れて形が崩れる原因になります。

筆者が最もよく使う技法が「ウォッシュ」です。

なぜなら水彩色鉛筆の最大の特徴である「鉛筆での描写」を残しつつ、水分を含んだ筆でなぞることで画面に広がりが出るからです。一瞬で「線から面への表現に変わる」ことがとても興味深いです。

ステップ2:紙の上で色を混ぜてグラデーションを作る

2色以上の色を隣り合わせに塗り、境目を水を含ませた筆でなじませる方法です。
空や夕焼け、花びらの色の変化など、グラデーションが必要な場面で役立ちます。

色を濃くしたい側から薄くしたい側へ、筆を動かすのがコツです。
筆は「一方向」に動かしたほうが、色が濁りにくくなります。

2色の境目のところでは、特に「一方向に筆をさっと流すように使う」と、比較的上手く混色できます。筆を何回も行ったり来たりさせると綺麗なグラデーションになりません。

12色相環で隣合わせの色や、近い色を選ぶと美しい混色ができます。補色関係にある色、例えば、赤と緑を合わせるとグレーっぽい色になります。影の部分に「黒」は使わず、このような混色がおすすめです。画面が優しくなり、暗くなりすぎません。

補色関係や色について、詳しくはこちらの記事も参考に☝️

アクリル絵の具の使い方のコツ!色の性質を知り初心者もプロ並みに!

ステップ3:濡れた筆で芯から直接色を取る

水で濡らした筆の先を、色鉛筆の芯に直接こすりつけて色を取る方法です。
筆に色が移るので、絵の具のように面を広く塗れます。

この場合、柔らかい芯の方が色を取り出しやすいので、上級ラインのファーバーカステルのPhthalo blue 110 を使いました。

背景や広い面を塗りたいとき、紙に何度も色鉛筆を走らせる手間が省けます。

芯が水を含んでやわらかくなるので、使い終わったらティッシュで先を軽く拭き取っておきましょう。

ステップ4:先に紙を濡らしてにじませる

紙に先に水を塗っておき、濡れた面に色鉛筆で描く方法です。
線が紙に触れた瞬間に溶けて広がるため、ふんわりとしたにじみが生まれます。

ひまわりの描き方、詳しくはこちらの記事を☝️

ひまわりの水彩画の描き方!初心者が簡単に描ける下描きのコツ

この時、芯が硬いものは向いていません。水彩紙に鉛筆の跡が残ったり、色が十分に乗らないことがあります。

背景の空気感を出したいときや、花や雲を柔らかく描きたいときに向いています。

紙が薄いと水でヨレやすく、破れる原因になります。この技法は、水彩紙や水彩対応の厚めの紙で行ってください。

ステップ5:芯を削った粉を振りかける

鉛筆削りで出た芯の粉を、紙の上に振りかけて水でなじませる方法です。
粉が不規則に散るため、砂のような質感や、偶然のにじみが生まれます。

水彩絵の具では出しにくい、独特のテクスチャーが得られるのが魅力です。
初心者にとっては少し上級の技法なので、まずはステップ1〜3に慣れてから試すとよいでしょう。

水彩色鉛筆で初心者がやりがちな失敗と上達のコツ

この章では、水彩色鉛筆で多くの初心者がつまずく3つの失敗を取り上げ、具体的な直し方まで踏み込みます。

事前に知っておくだけで、1枚目の完成度が大きく変わります。

水の量・紙選びでの失敗

もっとも多い失敗は、水の量が多すぎて色が流れたり、紙がよれたりすることです。
筆に水を含ませたら、いったんキッチンペーパーやティッシュペーパーに軽く当てて、余分な水を落としてから使います。

水が足りなければあとから足せますが、足しすぎた水は戻せません。
迷ったら「少なめ」から始めるのが鉄則です。

でも、失敗した時は、優しくティッシュで余分な水を拭き取ってください。

色が濁るときの対処法

色が濁る主な原因は、水で溶かす前に色を重ねすぎることと、筆を洗わずに別の色を触ることです。

この2点を守るだけで、色の透明感が大きく変わります。

色を変えるたびに筆を水でしっかり洗い、キッチンペーパーやティッシュペーパーで水気を取ります。

濁りを防ぐには、明るい色から先に塗り、濃い色や暗い色を最後にのせることも重要ですね。

仕上がりを整える重ね塗りと乾かし方

水でなじませた色は、乾くと少し薄く見えます。
そのため、仕上がりのイメージより少しだけ濃いめに塗っておくと、乾いたあとにちょうどよい色合いになります。

物足りなければ、紙が完全に乾いてから、もう一度水彩色鉛筆を重ねてください。
乾いた紙に重ねると、水彩の柔らかい色の上に鮮明な線が加わり、立体感が出ます。

失敗を成功に導く方法:上の写真の失敗例から、余計な水分をティッシュペーパーなどで優しく拭き取ります。乾いてしまった部分があれば、きれいな水を筆に含ませていらない部分を拭き取ります。よく乾燥させてからもう一度描画すれば、失敗をリカバーして美味しそうなカヌレができます。

水彩色鉛筆:初心者向けの練習メニュー(最初の1週間)

この章では、最初の1週間で何をどの順番に練習すればよいかを、具体的なメニューにして紹介します。

道具をそろえたあとに「何を描けばいいかわからない」と、つまずくことを防げます。

練習の中心は「色の変化を知ること」と「水の量の感覚をつかむこと」です。
上手に描こうとするより、まず水に溶ける様子を楽しむことが上達への近道になります。

1週間の練習メニュー
  1. 1日目:色見本づくり。手持ちの全色を紙に塗り、水でなじませて色の変化を確認する。
  2. 2日目:グラデーション練習。2色を隣り合わせに塗り、境目をなじませる。
  3. 3日目:りんごやレモンなど、単純な形のモチーフを1つ描く。
  4. 4日目:濡れた紙に描く技法で、空や雲を描いてみる。
  5. 5日目:芯の粉を使う技法で、背景の質感を試す。
  6. 6日目:身近な花や果物、スウィーツなどを、複数の技法を組み合わせて描く。
  7. 7日目:1週間の作品を並べて、好きな表現と苦手な表現を振り返る。

1日目:色見本作り

筆者は3種類の水彩色鉛筆で作りました。皆さんは、ご自分がお持ちの「水彩色鉛筆」で制作しましょう!1色ずつ四角く塗り、半分だけ水でなじませると、乾いたままの色と溶かした色を1枚で見比べられます。
3種類で作ってみて気づいたことは、メーカーが違うと「描き味」が全然違うということです。それは「芯」の素材の違いが硬さや、水馴染みにてきめんに現れるということでした。

本格的な作品作りの時は、品質の良いものを選びたいですね。

2日目:グラデーション練習

2色が重なるところで、なかなか上手く馴染まないので、美しくグラデーションを作ることが難しいかもしれませんが、根気よく続けましょう!

何度も何度も練習して、筆運びをマスターすれば、濁らず美しいグラデーションが出来上がります。

3日目:単純なモチーフを描く

リンゴに挑戦しました。レモンやキウイなど単純な形のモチーフならなんでも大丈夫です。

りんごの描き方については、こちらの記事を☝️

【水彩画】色々なりんごの描き方|画家が教える初心者向け完全ガイド

4日目:濡れた紙に描く技法

この技法で、「空」や「雲」を描いてみましょう。

風景画の描き方について詳しくはこちらの記事を☝️

水彩画で風景を簡単に描くコツ|初心者向け手順とポイント

5日目:芯の粉を使う技法

比較的広い面積の背景の質感を出す時に使います。今回は、「雲」を芯の粉を使う技法で描き、乾いたら、水彩色鉛筆で「天使の梯子(薄明光線)」を表現しました。

筆者は、ほんの少し水を塗って湿らせた紙に、鉛筆削りから直接落とし粉を振ります。そうすると粉の散らばり方が自然になります。きれいな水を含ませた筆で優しく画面をなでてから乾かしました。

6日目に、この技法で粉砂糖を表現した作例を載せています。

空や雲の描き方についてはこちらの記事を☝️

水彩画で風景の空を描く方法!初心者でも失敗しない3つのコツ

6日目:身近な花や果物、スウィーツなどを、複数の技法を組み合わせて描く

お菓子屋さんのショーケースで見かけた「生ドーナツ」がとても美味しそうで、描いてみたくなりました。上からかけられた「粉砂糖」の表現をどうするか悩んでいましたが「ステップ5:芯を削った粉を振りかける」の技法ならできるかもしれないと思い、挑戦してみました。

すると、水で溶ける部分と粉のまま残る部分とができて上手く表現することができました。

粉の定着をしっかりさせるため、ホルベインの水彩画用保護ワニス W481や、ホルベイン UVグロスバーニッシュ W482などのスプレータイプを使用するといいですね。

7日目:1週間の作品を並べて振り返る

下の写真は、1週間の練習の成果です。皆さんもたくさん描いてどんどん上手くなりましょう!

筆者は、練習4日目の「ぬれた紙に色鉛筆で描く技法」が苦手です。なぜかというと「筆圧」がとても高いからです。どうしても「力一杯」で描いてしまい、薄い水彩紙だと破れてしまうこともあります。

対策としては、水彩紙は厚いもの(300g/㎡以上のもの)を使用し、柔らかい芯の色鉛筆を選ぶことである程度は防げます。

皆さんも、ご自身の「得意、不得意」をよく把握して、楽しんで描いてください!

水彩画×色鉛筆に関するよくある質問(FAQ)

水彩色鉛筆は普通のスケッチブックでも使えますか?

使えますが、水を使う技法には向きません。
普通のスケッチブックは水に弱く、波打ちや破れが起こりやすいからです。

ターレンス アートクリエーションスケッチブック:水彩・ペン・パステル・色鉛筆などに使える汎用性の高い細目の中性紙で実験。普通のスケッチブックとしては紙質も良い方です。水彩も使えると謳っていますが、水分を含むとやはり波打ちます。

水を使う場合は、水彩画用紙か「水彩対応」と書かれたスケッチブックを選んでください。

水彩絵の具と併用してもよいですか?

併用できます。
広い面は水彩絵の具で塗り、細部や輪郭を水彩色鉛筆で描き込むと、表現の幅が広がります。

例えば、広い空の部分を水彩画で表現し、ひまわりの花は色鉛筆で描き込むというような方法です。

水彩色鉛筆の描き込みは、絵の具が乾いてから重ねると、にじまずにくっきり描けます。

描いたあとに水で溶かさなくても作品になりますか?

作品として成立します。
水彩色鉛筆は、乾いたまま使えば普通の色鉛筆として使えるからです。

コスモスの描き方はこちらの記事も☝️

【水彩画入門】コスモスの花びらの透明感を出す塗り方と構図のコツ

線を活かした描き込みと、水でなじませた面を組み合わせるのも効果的です。

水筆ペンを使用して、花びらの透明感を出しました。

消しゴムで消せますか?

乾いた状態であれば、ある程度は消せます。
ただし、水を含ませたあとは色が紙に染み込み、消すのが難しくなります。

薄い色から重ねて、水を使う前に形や色のバランスを確認しておくと安心です。

水で溶かしても色鉛筆の線が残ってしまうのはなぜですか?

主な原因は筆圧が強く、芯が紙の凹凸に食い込んでいるためです。

塗るときは力を入れず、寝かせるようにして優しく、薄く塗り重ねるのが基本です。新品の鉛筆はあらかじめ芯の角を少し丸めておくと、硬い線が残りにくくなります。

筆圧が強い方は特に、優しくなでるように描いてください。

線を一切残したくない場合は、カッターなどで芯を粉状に削り、パレット上で水に溶かして絵の具のように筆で塗る、「削って溶かす」技法がおすすめです。

水彩色鉛筆・まとめ

水彩画を色鉛筆で始めるなら、水に溶ける「水彩色鉛筆」を選ぶのが最も手軽で失敗しにくい方法です。

この記事のポイントを整理します。

この記事のポイント
  • 水彩色鉛筆は、乾いたまま描いても、水でにじませても使える。
  • 最初の道具は、水彩色鉛筆・丸筆・水彩紙・水入れの4つで十分。
  • 初心者は「やわらかめの芯・24色前後・持ち運びやすいケース」が目安。
  • 基本は「描いてから水でなぞる」。慣れたら5つの技法を試す。
  • 水は少なめから始め、明るい色から先に塗ると失敗しにくい。

最初から完璧を目指さず、まずは1枚、気軽に描いてみてください。
水に溶ける色の変化を楽しむうちに、自分らしい表現がきっと見つかります。

出来上がった作品は、額に入れて飾って楽しんだり、ハガキになった水彩紙で描き上げたものなら、近況を知らせる「絵手紙」としてお友達に送るのも素敵です。

本日も最後までお読みいただきありがとうございます。感謝です。

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