こんにちは、絵を描いて早半世紀、絵師の徳田智子です。
水彩画の楽しさをお伝えして、30年以上になります。

桜の季節になるとどうしても桜の絵が描きたくなりますよね。
本日は、初心者にもわかりやすく、水彩画で桜のある風景を楽しく描くコツを伝授します!
結論から言うと、
桜の水彩画は『観察→構図→背景→花→幹→仕上げ』の6ステップで描けば
初心者でも見栄えのする作品に仕上がります。
実際に私の教室でも、この手順で初めて桜を描いた生徒さんが驚くほど上手に仕上げています。
水彩画で桜を描く手順1:鉛筆でスケッチする方法
今回は「さっと咲いてさっと散る」潔さと大胆さが支持されている
ソメイヨシノを描いていきます。
まずは観察:細部にこだわらず、全体を大きく捉える
例えばですが、川のそばで咲く「桜の木を描きたい!」と思いました。
さあ、あなたなら、どうしますか?

「桜の木なんだ!」っということで
花びらとか、花の形とかに目がいってしまうかもしれません!
でも、まずは
全体の桜の木の形(フォルムやシェイプ)がどんな形なのか、
桜の木の幹は、どのぐらいの太さか
枝はどの方向に向かって生えているのか
根っこは見えているのかなどを
桜の花全体をよく観察します。ここが一番大事です。
よく観察したら、自分が描きたいイメージの桜は
画面にどのように、配置するのが一番いいか を
頭の中でじっくりシュミレーションしましょう。
また、自分が表現したい桜の木は
紙を縦長にするほうがいいのか横長で使うのがいいのか?
じっくり練り構図を考えます。

構図が重要です。とても大事です。
この構図の良し悪しで、仕上がりが全然違ってきます。
今回は、桜の枝の張り具合や花の美しさを表現することに重点をおきます。
そうすると、横長の画面がいいですね。
次は、軽く鉛筆で下描き
写真に写っている、いらないもの例えば向かって右側のお家とかガードレールとか。
絵にならないものは描かないでおきましょう。

構図の良し悪しで、この絵の価値が決まると言っても過言ではありません。
なので、いきなりしっかり決めて描くのではなく
軽く配置を記す程度に描いてみるのもいいでしょう。
言うまでもなく、使用する紙は「水彩紙」でお願いします。
紙についての詳しい説明はこの記事を参考に!
構図が決まったら、幹、枝と順番に鉛筆で描いて行きます。
丸とか四角、三角などでざっくり位置を決めます。

この時、鉛筆は画面を優しく撫でるようにしてください。
鉛筆の跡が残ってしまわないように気をつけてください。
消しゴムはなるべく使わないほうがいいです。
水彩紙の画面を痛めてしまうからです。
画面を痛めてしまうと、吸水力が落ちて色がのりにくくなったり
消しカスを手で払って、指の脂分が画面についたりすると絵の具を弾いています。
細かいことですが、水彩画は繊細な部分もありますので
気をつけて描いて、素晴らしい作品を創り上げましょう!
最後は白く残す部分や明るめの色の部分をマスキング
花の色は白に近い薄いピンクなので、他の色に侵食されないように
鉛筆で囲っておきましょう。

鉛筆で花の全体のボリュームも囲っておきます。
そして、マスキングインクを使いましょう!

マスキング初心者には、ペンタイプをおすすめします!
細かいところも、ペンで書くようにマスキングできますのでとても便利です。
マスキングは一度乾くと、水には溶けないので
筆などを使う必要のないペンタイプが便利です。
こんな感じにざっくりと囲みます。

乾くまでしばらく待ちます。
この時、水彩紙をボードなどにしっかりとマスキングテープで固定してから描き始めましょう!

太めのマスキングテープでしっかり止めます。おすすめは30mm。
水彩画で桜を描く手順2:絵の具で彩色する方法
まずは、背景から始めます。
まず背景:背景の空を描く
この時、大きく鉛筆で囲っておいた桜の花の部分に注意して
空を描いていきます。
画面にたっぷりの水をおきます。毛足の長い太めの筆がいいです。
平筆でも丸筆でも大丈夫です。

ウェットインウェット:たっぷりの水を画面におきます
画面が乾かないうちに、青色の絵の具で描きます。
ウェットインウェットの方法で、よく晴れた青空にしていきましょう。

今回はクサカベのARTIST’S WATER COLORS のウルトラマリンブルーを使いました。
とても発色がいいです。
技法については、こちらの記事も参照してください。
ウェットインウェットの技法なら、空に浮かんでいる雲も
雲を描くのではなく、ウルトラマリンブルーの濃淡で
雲を感じるようにうまく表現できますね。
空の部分が乾いたら、マスキングを消しゴムや手の腹などで優しく剥がします。
この時、画面は傷つけないでくださいね。
次は桜の花の部分:淡い色で描き花の部分を確保
花の部分の明るさと淡さを失わないために
先に花の部分をうっすらとピンク色で描きます。
まずは、画面に太筆で水を全体に湿らせます。
空の時と同じ技法、ウェットインウェットを使います。
淡いピンクを薄くのせます。

今回は、ホルベインの透明水彩絵の具W025のブリリアントピンクを使いました。
花は全体を捉えて塊(かたまり)で表現し、細部は気にしません。
桜の花のボリュームと雰囲気を表現するために
細めの筆で花をイメージして、絵の具をつけた筆をちょんちょんちょんと置いていきます。
木の描き方で説明している、広葉樹の葉っぱの描き方と同じです。
詳しくはこの記事をお読みください。

ここでは筆のちょんちょんちょん運動で、花の部分を描いて、次の段階に進みます。
桜の花びらの構造を知ると描きやすい
桜の花びらの構造を知っておくと
花のボリュームと遠近を考えながら描くときも
描きやすいです。

ひたすら<ちょんちょんちょん>と筆の運動をするときも、
これは、正面を向いている、これは、横向きだ!いや。下向きだ!
なんて、色々とイメージして描くことで、桜全体に動きが出ます。

桜の花房や蕾の向きをイメージして、ちょんちょんちょん運動で描き込む!
続いて:桜の幹と枝を描く
花の部分を確保しボリュームも表現できましたので
次は主役級の桜の木の幹と枝を描きます。
木の描き方で紹介した「筆の運動」で初心者もうまく木が描けます。
描き方については、先ほど花の描き方でも引用しましたが
詳しくはこちらの記事も参考にしてください。

筆の下から上運動で、幹 は無理なく書き進めることができます。
枝は左右の筆の運動で、ビュンと伸ばして雄大な感じに仕上げましょう。
樹齢もかなりのこのソメイヨシノは幹も太く、ちょっとグネグネしていますね。
下の方の根っこも一緒に、描いていきましょう
筆を一旦止めたり、跳ね上げたりして、幹や枝の躍動感を表現しましょう。

今回使った色:左から、クリムソンレー、イエローオーカー、バーントアンバー、バーントシェンナ、アクセントにプルシャンブルー、パーマネントグリーンを使いました。
絵の具セットがあれば便利ですね。
絵の具についてはこの記事も参考になさってください。
枝も描いていきましょう。
筆の左右運動で枝もその特徴を捉えましょう。
今回の桜の木は、画面向かって右側に大きく張り出しているのでその動きを捉えましょう。
ビュンと右に伸ばします。
また、花の間にアクセントとして細かい枝を入れることで躍動感が出ます。

右に張り出した枝は、大きく右にビュンっと伸ばします
最後にもう一度:桜の花の細部を描き込む!

幹も枝もしっかり描けました。
仕上げに最も描きたかった「桜の花」を描いていきます。
重なりの多い部分は、少し濃いめのピンクを使ったり
影の部分に少しブルーや緑を入れたりします。
一番手前の密集したところは、花びらのような感じで描き込んでもいいですね。
その時は、先ほど説明した
花びらの構造を知ると描きやすいの章を
参考にしてください。
青い空とソメイヨシノの淡いピンクがとても映えます。
河川敷の様子がわかるように、土手と堤防、川をあっさり描き込みます。
最後にスパッタリングの方法(筆から絵の具を弾いて飛ばす技法)で
散りゆく花びらを表現するのもおすすめです!

河川敷の堤防に生える桜のダイナミックさが表現できました。
水彩画で桜を描く時によくある失敗と対策
失敗その1:途中で嫌になって!
ある生徒さんの事例ですが。
桜の花びらの「ちょんちょんちょん」技法を全く取り入れなかったために
太めの筆でなんとなく塗ってしまったために桜らしくならず
途中で嫌になって描くことを放棄!
勿体無い!

桜の花を太めの筆でピンク色に塗っていると、どうしても重くなり桜らしくなりません。桜の花は塊で捉えますが、描くときは、花びらや花のふさをイメージして、ちょんちょんちょんと、一つ一つ丁寧に描いていきましょう!
構図もよく、遠景もすごくよくかけているので、本当に勿体無いです。
失敗その2:空と桜が一体に!
しっかりマスキングもして、空から描き始めたのに!
やってしまいました。
空が十分に乾く前に、桜のピンクで描き始めたので
混じってしまいました。

桜吹雪みたいでいいかもですが…
こうならないためには、空を描いた後、焦らずしっかり乾かしてから次の工程に進みましょう。
ドライヤーを使って乾かすのもアリですが、近づけすぎると絵の具が流れるので注意です!」
失敗その3:のっぺり描いて!ピンクのお化けに!
桜の花を全体に塗ってしまったので空まで桜になってしまいました。

この生徒さんの作品は、途中で「塗る」ことから
「ちょんちょんちょん運動」に変更!
桜の花らしくなっています。このまま、描き進めてもらいました。
失敗その4:紙がベコベコ
桜の絵を描く時だけではないのですが。油断するとこうなります。
描き上げて、ボードから外してみると、あら大変!
紙が波打っています。横から見るとすごくよくわかります。

失敗例:水彩紙の厚みが薄いとベコベコになってしまいます。
こうならないためには、厚めの水彩紙、300kgぐらいのウエイトものを使いましょう
でもこうなっちゃたら。
よく乾かした後に、重い本などに挟んで2~3日置きます。
そうすると、少し、真っ直ぐになりますよ。
スケッチブックに挟んで保管するといいですね。
水彩画で桜の描き方をマスターしよう!まとめ
日本人なら一度は描きたい桜の絵!
そうでなくても、外に飛び出して描きたい衝動に駆られますよね。
今回は一番人気の「ソメイヨシノ」を描いてみましたが
枝垂れ桜やヤマザクラ(吉野山が有名ですよね)も
今回学んだ、幹や枝の特徴を捉えることと
桜の花の色(濃いピンク、淡いピンク、白に近いピンクなど)を間違えなければ
一目で「〇〇サクラ!」っとわかってもらえるようになります。
ポイントは
1. 幹や枝の生え方をとらえる
2.桜の花の色を描き分ける
です。
今回はソメイヨシノでしたが、例えば「枝垂れ桜」であれば
見た目の特徴、つまり、
1.枝が柳のように下に垂れている
2.花の色は「濃いめのピンク」
という特徴を捉えれば、ちゃんと枝垂れ桜になります。
いかがでしたか?
今年の春はお花見のついでに水彩画でシャシャッと桜の絵を描いて
みんなをびっくりさせてみませんか?
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
感謝です。







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