こんにちは、絵を描いて早半世紀、絵師の徳田です。
アクリル絵の具を使うようになって5年の歳月が経ちました。

本日はアクリル絵の具を使うのが、全く初めての方に向けて
どのようにすれば初めてでも
おそれずに楽しんで描けるのかを解説していきます。
「油絵の画暦は長い」とか「水彩画をずっとやてます」っという方にも
「アクリル絵の具は使ったことがない」アクリル絵の具初心者の方にも
なるほどと納得していただけると内容となっています。
目次
アクリル絵の具とは?初心者に選ばれる理由

まず、みなさん。アクリル絵の具って何かご存知ですか?
「なんか聞いたことある」
「油絵の具より扱いやすいらしい」
「水彩絵の具の一種よ」
そうなんです、みなさんの見識は間違っていません。
もし、水彩絵の具を初めて使うという方がいらっしゃいましたら
ぜひ、こちらの記事も併せてお読みください。
ここからは、アクリル絵の具についてお話をさせていただきます。
選ばれる理由その1:使い方が簡単な絵の具
アクリル絵の具は、水で薄めて使えます。
なので、アクリル絵の具と水さえあればすぐに始められます。
乾燥すると耐水性・耐光性に変化するという特徴があります。
速乾性の高い水性絵具です。
選ばれる理由その2:いろいろなことができる絵の具
紙や木、金属、布など様々な素材に描くことができます。
塗り重ねて鮮やかな発色を得ることができます。
それにマットな質感の表現に最適なのです
専用のメディウムを使えば厚塗りや透明感の調整も自在です。
知っておきたいアクリル絵の具のメリット
アクリル絵の具には、メリットもデメリットもあります。
それぞれ解説していきます。
アクリル絵の具のメリットとしては、以下の4つが代表的です。
速乾性が高く、耐水性がある
乾くのが非常に速い!
一度乾くと水に溶けなくなる(耐水性)ため
その上から重ね塗りが簡単にできるのが嬉しいですね!失敗知らず!
接着力が優れている
紙、キャンバス、木、石、金属、ガラス、プラスチックなど、油性面以外なら
ほぼ何にでも描けるという、ちょっとミラクルな絵の具です。
素晴らしい!

ホワイトデニムのトートバッグに描いてみました。厚塗りは禁物です。下に水分が染み出ないよう、描く時は気をつけましょう。
色あせしないで、鮮やかな色が長持ちする
水彩画よりも断然、色あせしにくいです。
油絵の具にも劣りません。
なので、保管が比較的簡単です。

仕上がりは、基本、マット(つや消し)な感じになります。
水彩画風に描けば、みずみずしさも残ります。
水性で扱いやすい
水で溶けて使いやすいです!
アクリル絵の具専用の特別な溶剤もありますが
アクリル絵の具初心者には、基本、必要ありません。

色々な溶剤。アクリル絵の具上級者になった時には使って欲しい!
「油絵の具」には、とき油が必要ですが
それに比べて、水で溶ける「アクリル絵の具」は
「お財布に優しい」絵の具です。
知っておきたいアクリル絵の具のデメリット
また、当然ですが、デメリットもあります。
乾燥が速すぎる!
こちらはメリットでもありデメリットでもある点です。
乾燥が早すぎるので、水彩画のように「ぼかし、混色、拭き取り」
などの技法には向きません。
乾燥が早すぎるので、パレット・筆の扱いが難しいです。
乾くと耐水性になりますので、乾燥後は、水では洗い流せません。

うっかり書くことに集中していると、こんなことになってしまします!
絵の具を入れたパレットや、使い終わった筆は
即座にティッシュなどで拭き取り、水で洗い流す必要があります。
速乾性もメリットでありデメリットでもあります。
乾燥後は色が沈む傾向がある
色の特徴として、描いたすぐより乾燥すると、少し暗く沈んだ色に変化する傾向があります。
そして全体的にマットな仕上がりになります。
落ち着いた上品な仕上がりになるという点ではメリットです。
筆跡(タッチ)が残りにくい
均一に塗るのに向いているのでどうしても、筆跡(タッチ)が残りにくいです。

油絵具のように厚盛りして、筆跡を残す質感を出すには、専用のメディウムが必要です。
これを使わずに、厚塗りするとひび割れてしまいます。
絵の具の保管に注意が必要
チューブ内で顔料と樹脂が分離しやすく、寿命は一般的に3年程度だそうです。
チューブの中でも乾くと使えません。

その都度必要な絵の具をお求めください。このように中で固まってしまうとチューブを押しても出てきません。余計なお世話ですがお気をつけください。
初心者が揃えるべきアクリル絵の具の道具一覧
安心してアクリル絵の具を使っていくための道具を紹介いたします。
おすすめのアクリル絵の具
もちろん、アクリル絵の具が必要です。
アクリル絵の具でも2種類あって
不透明なアクリルガッシュと
透明感のあるアクリルカラーです。
おすすめのメーカーは3社。
リキテックス:アクリル絵の具の代表格

1955年 ヘンリー・レビソンが水性エマルションタイプ「リキテックス」を開発し
世界初の水性アクリル絵の具が誕生しました。
水性アクリル絵の具の元祖なんですね。
アクリル絵の具歴5年の筆者も、初めてのアクリル絵の具としてお世話になりました。
ターナー:アクリルガッシュが強いメーカー
輸入品が主流だった日本で
1982年にターナーが日本初のアクリルガッシュを発売。
日本のアクリル絵の具の草分け的存在です。
そして近年、画期的なアクリル絵の具を出しました。
それがこれ!

最近は、こちらのシリーズがお気に入りです。
発色が良く、透明度の高い色もあります。
上手に使うと、沈んだ画面になりません。
アクリル絵の具の「仕上がりが少し沈む」というデメリットもあまり関係ないですね。
こちらは、比較的新しいラインナップのU-35シリーズ。アクリル絵の具の色数もさることながら、この絵の具に適した溶剤もたくさんあります。「35歳以下の若い人専用なのか?!」と深読みしてしまいましたが、熟年でも安心して使えます。
ホルンベイン:国内メーカーのオールマイティー
油絵の具、水彩絵の具と、色々な絵の具を開発しているメーカーなので
アクリル絵の具にも信頼が置けます。

こちらも透明度の高いものと、不透明で下の色がしっかり隠れるものと両方あります。
おすすめのパレット
アクリル絵の具の特性を十分に知った上で、道具は慎重に選んでいかねばなりません。
特にパレットは重要です。
絵の具を出したまま、ついうっかり放置してしまいそうな方、
絵を描くのに集中したい方は、こちらをおすすめします。
紙パレットです。

筆者もアクリル絵の具を使うようになってからは愛用しています。
使い切りが嫌な人は「究極のエコパレット」を紹介します。
それは「これ!」卵ケース。

アクリル絵の具が固まっても気になりません。固まったら次のスペースに!次々、新しいスペースが使えて便利です!
水彩画の時にも紹介しています。よかったらこちらの記事もお読みください。
おすすめの筆
筆は、比較的リーズナブルな価格帯のナイロン系のものをおすすめします。
腰が強く扱いやすいですし、何よりどんな使い方をしても丈夫です。

ホームセンターでも手に入る、どんな扱いにもタフに答えてくれるナイロン毛の筆をおすすめします。

やはり、アクリル絵の具の特徴である速乾性を考慮に入れています。
すぐに洗う→だけど、筆洗につけておく時間が長い→ダメになる可能性が高い
この法則が成り立つ方が多いのではないでしょうか。
ならば、迷わず!ナイロン毛の比較的お手頃価格の筆をお選びください。
おすすめの筆洗
こちらも必須品です。
何せ速乾性という特徴がありますので、筆に残った絵の具は
すぐにティッシュなどで拭き取り「筆洗」の中で洗ってください。

学童用のもので大丈夫です。たくさん水が入る方のがいいですね。

中の水が綺麗であれば、こんな感じで外側が汚れていても大丈夫です。くれぐれも中の水は、すんだ美しいものをお使いください。
「大人なんだから学童用なんて購入するのイヤだ」って方は、自作の筆洗でも大丈夫です。

使用済みペットボトルを綺麗に洗って乾燥させ、だいたい10cmぐらいの高さに切りそろえます。何個か組み合わせて使うと自家製筆洗の出来上がりです。これだとアクリル絵の具がついても気にせず使えますね。使い終わったらリサイクルに!
アクリル絵の具の基本的な使い方と手順
今まで紹介したメリット、デメリットを踏まえながら
上手にアクリル絵の具と付き合って行く方法をお伝えします。
いきなりですが、画道半世紀、アクリル絵の具歴5年の筆者が
裏技を伝授いたします。
失敗しない「絵の具の出し方、溶き方、色の混ぜ方」
使う絵の具は、その都度、必要量を出しましょう。
水彩絵の具の時のように「全色パレットに!」なんていうのはナンセンスです。

絵の具を溶く際は、綺麗な筆でポタポタ少しずつ、水を足していきましょう。
ちょっとゆるめのマヨネーズくらいの硬さを目指すのがコツです。
水を足すときは、スポイドを使うのもいいかもしれません。
色混ぜも基本を踏まえてやっていくと失敗しません。
混ぜたい色をパレットに出してよく混ぜます。
同じ色は2度と作れないので、この時はちょっと多めに出します。
この時もペインティングナイフでよく混ぜましょう

怖がらず、始めの一色に挑戦しましょう!
筆の使い方
使い終わった筆は、ティッシュなどで拭き取り、すぐに筆洗で洗いましょう。
洗った後は水分を拭き取り、絵の具が残っていないか確認してください。

筆の付け根に絵の具が残っていると、次の色と混ざってしまったり
そのまま乾燥してしまうと、筆がカチカチになって、次回使うことができません。
また、筆洗の中に長時間、筆をつけていると毛が痛みます。
長く大切に筆を使うためにも
筆を使う→余分の絵の具を拭き取る→筆洗で洗う→拭き取るを繰り返し
いつも綺麗な筆で描くように心がけてください。
専用のボードやキャンバスに描く
アクリル絵の具を使って描くとき、水彩紙でもいいですが
専用のキャンバスやボードに描くと
より一層描きやすく
また、保管もしやすい です。
展覧会などで発表する時も、扱いやすいのです。
キャンバスもボードもいろいろなサイズがありますのでまずは小さめのサイズから始めて見るといいですね。

こちらはアクリル用キャンバス。油絵風に重厚感のある感じに絵の具を塗り重ねるときはこちらをお勧めします

こちらは、イラストボード。適度な厚みがあり、たくさん水を使っても、たわんだりしません。水彩画のようにたくさん水を使うときにおすすめです。
油絵風や水彩画風も!アクリル絵の具の描き方アレンジ
それでは、実際にどのように描いていくのか説明していきます。
油絵風に描く方法
アクリル絵の具でも、油絵風に重厚感を持たせて描くことができます。

壁の重厚感は、茶色、こげ茶、黄土色、赤茶色など違う色を重ね塗りすることで質感が出ます。猫ちゃんの毛並みも、筆を重ねてもふもふ感を出していきます。何度も重ねることがポイント!
アクリル絵の具のメリットである「速乾性」を最大限活かして重ね塗りします。
まずは、下塗り。地塗りとも言います。
キャンバスにアクリル絵の具を馴染ませる意味があります。
こちらの一手間をかけることで、キャンバスに必要以上に絵の具が染み込むことを防いでくれます。
今回は、黄橙(きだいだい)を選びました。
筆者は出来上がりのイメージ合わせて色を選びます。色の魔術で思わぬ効果が得られるからです。詳しくは、カラーマジックの記事でお伝えしますね。
猫ちゃんの背景の壁を明るい茶色に仕上げたかったのでこの色を選んでいます。
上から重ね塗りするので、下から透けてくることはありませんが、
地塗りに同系の明るく暖かい色を塗ることで、出来上がりの画面も明るく暖かくなります。

アクリル絵のが速乾性で比較的早く乾くのですが、どうしてももっと早く乾かしたい!っというという時の裏技があります!そうです!ドライヤー。焦っている時の強い味方です!

地塗りが終わったら、下書きです。
地塗りの画面が充分にが乾いてから、鉛筆で薄く、力を入れず、軽く描いていきます。

鉛筆で大まかな形を入れていきます。地塗りが完全に乾いていれば、鉛筆の線は消しゴムで簡単に消せます。でも、あまり力を入れて描かないでください。かたがついたら取れませんから!
一度に厚塗りする時は、専用の溶剤(メディウム)が必要ですが
アクリル絵の具初心者なら、絵の具を少しだけ水を多めに使用し
何度も重ね塗りすることで厚みと深みを持たせましょう。
Let’s try!
水彩風に描く方法
透明感を重視したい人には、より多くの水でアクリル絵の具を溶くことをお勧めします。
ここでは、アクリル絵の具の特性である「速乾性」はデメリットになります。
早く乾かないように特に注意が必要です。

パレットに出す時の絵の具の量にも注意してください。少しの絵の具に、たくさんの水が必要です。水彩画風の時には、絵の具を筆で溶いても問題ありません。
ここでも裏技があります!乾燥はアクリル絵の具にとって大敵です!

なんと!霧吹きと食品用ラップです。短時間の水分補給には、霧吹きで表面の乾燥を防ぎます!2〜3時間の乾燥防止には、食品用のラップがオススメ!
これで少しは落ちついて描くことに集中できますね!
水彩画のように、薄く塗って描いていきます。
下の色を全部隠さないように気をつけて!
さあ、描き始めましょう!

また、パレットでの絵の具の乾燥を、全く気にしなくても良い便利な裏技がこちら!
卵パックを利用したパレットです。道具のところでも紹介しましたが、水彩画風に描く時は特に重宝します。なぜなら、水彩画風に描くときは1色ではなく、何色も違う色を出して描くことが多いからです。

いろいろな色出したい!という人、どうしてもたくさんの量を出してしまう人は、卵パックのパレットをお使いになると安心です。
まとめ
アクリル絵の具、初めての体験はいかがでしたか?
今回の記事のまとめです。
・アクリル絵の具は水で溶けるが乾くと耐水性になる
・筆と絵の具は使い終わったらすぐに洗う
・パレットは紙パレットか卵ケースが実用的
・まずは F3サイズのキャンバス1枚 から始めてみよう
道具が揃ったら、次はこちらの記事で実際の描き方を学んでみましょう!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
感謝です。






コメントを残す